コロナの影響で早くも旅行会社と語学学校が破綻
コロナの影響で学校が潰れるのでは、という心配が早くも現実になりました。ただ、こういうニュースを一つ聞くと、続々と出てくるのではと不安になる方もいらっしゃると思うので、背景を含めてご説明します。
ロンドンとダブリンに校舎を持つ語学学校「ザ・イングリッシュ・スタジオ」が、この週末に「会社整理」というニュースを流しました。ただ、ここは組織が少し複雑で、もしかしたらこちらの方がショックと思う方が多いのでは。それは、アイルランドの学生向け旅行会社「ユージート・アイルランド」が実質倒産。これらはどちらも同じオーナーのグループ組織で「キンレー・グループ」という企業に属します。グループ全体で資金繰りが行き詰まったことで、こういう決断に至ったそうです。ユージットは60年もの歴史を誇る老舗旅行会社であり、語学学校の方は先行のロンドンも1997年設立と、比較的新しく、ダブリン校はさらに最近オープンした「ロンドン本校の分校」的な学校でした。

一等地にあったザ・イングリッシュ・スタジオ・ダブリン校
語学学校としては、ロンドンもダブリンも、最安値の授業料を表に打ち出した「格安校」でした。経営者の方針が「認可校中の最安値」の維持だったそうです。その方針はダブリンもロンドンも一緒ですが、ロンドンとダブリンでは、学生がアルバイトができるかどうかの違いがあります。
ロンドン校は日本人学生も常時結構いますし、当社からも過去何名か「できるだけ安い所を希望」という方をお送りしました。格安と割り切れば、その中では良い学校だったのではないでしょうか。
ダブリン校は少し前に見に行きましたが、結局当社サイトに載せたいと思うほど魅力を感じなかったので、学校見学までしたにもかかわらず載せておらず、個別紹介で対応、と考えていました。もともとダブリンは学校が多すぎる激戦区ですから、片っ端から載せていてはキリがないので、最近は新規訪問した学校の半分は載せていません。この学校については、加えて現地に長い留学生から聞こえてくる評判も今ひとつでした。行った時の印象も、賑わってはいましたが、通路やレセプションエリアで聞こえてくるのはポルトガル語とスペイン語ばかりで完全野放し。そういう学校ではありました。アルバイトができるアイルランドゆえ、ロンドンと違い、アルバイト目的の学生ばかりが集まってしまいやすい構造にあるわけです。
ちなみに今、ダブリンには政府認可がなく、ILEPの登録だけという格安校が沢山あります。これらの殆どは、過度に南米マーケットに依存しています。つまりアイルランドは長期学生ならアルバイトができますので、そちらが主目的で来る学生にとっては、授業料は安ければ安いほどいいわけです。それでも政府認可がないのは不安、という人は、もちろん南米にも大勢いて、この学校はそういう層に特に人気があったようです。しかし今年1月、この学校はILEPの登録手続きに何か瑕疵があったらしく、報道によれば「一時的に」という説明ですが、とにかくILEPリストから外れていました。そうなると90日を超える長期学生が外国人登録できず、当然学生はアルバイトもできません。ILEPはそこまで難しい手続きではないので、ちょっとした手続き上の問題なのかと思っていましたが、アルバイト目的の学生ばかりを最安値で集めてフル回転させて教室を常に満員にしているこういうタイプの学校は、一時的であっても、それが途絶えると致命的です。そこへ来て今回のコロナ。

イングリッシュ・マーケット近くにあったユージットのコーク店(写真左)
グループ企業の中では旅行会社と語学学校ではどちらが本業なのか、売上や利益の割合はどのぐらいなのか、詳しくはわかりませんが、もしかすると旅行会社「ユージット」の方がコロナのダメージが大きかったのかもしれません。それでもコロナ発生からこんな短期間で起こったということは、もともと他に潜在的な問題があったのかもしれません。アイルランドでは「ユージット」は、国際学生証発行などもやっている旅行会社で、長期学生の方にはご縁のある旅行会社でした。いずれにしても、コロナがきっかけで歴史ある学生旅行社が系列語学学校と共に消えてしまいます。
ロンドンとダブリンに校舎を持つ語学学校「ザ・イングリッシュ・スタジオ」が、この週末に「会社整理」というニュースを流しました。ただ、ここは組織が少し複雑で、もしかしたらこちらの方がショックと思う方が多いのでは。それは、アイルランドの学生向け旅行会社「ユージート・アイルランド」が実質倒産。これらはどちらも同じオーナーのグループ組織で「キンレー・グループ」という企業に属します。グループ全体で資金繰りが行き詰まったことで、こういう決断に至ったそうです。ユージットは60年もの歴史を誇る老舗旅行会社であり、語学学校の方は先行のロンドンも1997年設立と、比較的新しく、ダブリン校はさらに最近オープンした「ロンドン本校の分校」的な学校でした。

一等地にあったザ・イングリッシュ・スタジオ・ダブリン校
語学学校としては、ロンドンもダブリンも、最安値の授業料を表に打ち出した「格安校」でした。経営者の方針が「認可校中の最安値」の維持だったそうです。その方針はダブリンもロンドンも一緒ですが、ロンドンとダブリンでは、学生がアルバイトができるかどうかの違いがあります。
ロンドン校は日本人学生も常時結構いますし、当社からも過去何名か「できるだけ安い所を希望」という方をお送りしました。格安と割り切れば、その中では良い学校だったのではないでしょうか。
ダブリン校は少し前に見に行きましたが、結局当社サイトに載せたいと思うほど魅力を感じなかったので、学校見学までしたにもかかわらず載せておらず、個別紹介で対応、と考えていました。もともとダブリンは学校が多すぎる激戦区ですから、片っ端から載せていてはキリがないので、最近は新規訪問した学校の半分は載せていません。この学校については、加えて現地に長い留学生から聞こえてくる評判も今ひとつでした。行った時の印象も、賑わってはいましたが、通路やレセプションエリアで聞こえてくるのはポルトガル語とスペイン語ばかりで完全野放し。そういう学校ではありました。アルバイトができるアイルランドゆえ、ロンドンと違い、アルバイト目的の学生ばかりが集まってしまいやすい構造にあるわけです。
ちなみに今、ダブリンには政府認可がなく、ILEPの登録だけという格安校が沢山あります。これらの殆どは、過度に南米マーケットに依存しています。つまりアイルランドは長期学生ならアルバイトができますので、そちらが主目的で来る学生にとっては、授業料は安ければ安いほどいいわけです。それでも政府認可がないのは不安、という人は、もちろん南米にも大勢いて、この学校はそういう層に特に人気があったようです。しかし今年1月、この学校はILEPの登録手続きに何か瑕疵があったらしく、報道によれば「一時的に」という説明ですが、とにかくILEPリストから外れていました。そうなると90日を超える長期学生が外国人登録できず、当然学生はアルバイトもできません。ILEPはそこまで難しい手続きではないので、ちょっとした手続き上の問題なのかと思っていましたが、アルバイト目的の学生ばかりを最安値で集めてフル回転させて教室を常に満員にしているこういうタイプの学校は、一時的であっても、それが途絶えると致命的です。そこへ来て今回のコロナ。

イングリッシュ・マーケット近くにあったユージットのコーク店(写真左)
グループ企業の中では旅行会社と語学学校ではどちらが本業なのか、売上や利益の割合はどのぐらいなのか、詳しくはわかりませんが、もしかすると旅行会社「ユージット」の方がコロナのダメージが大きかったのかもしれません。それでもコロナ発生からこんな短期間で起こったということは、もともと他に潜在的な問題があったのかもしれません。アイルランドでは「ユージット」は、国際学生証発行などもやっている旅行会社で、長期学生の方にはご縁のある旅行会社でした。いずれにしても、コロナがきっかけで歴史ある学生旅行社が系列語学学校と共に消えてしまいます。
コロナウィルスと語学学校現況
少し前まで、まさかこんなことになるとは想像すらできなかった、コロナウィルス問題。欧州での急速な感染拡大に伴い、そしてWHOのパンデミック宣言が決定打となり、各国とも自衛・防御のため、大胆な措置を相次いで発表しました。

その一環として、幼稚園から大学まで、全ての学校を一時休校。これには語学学校も含まれます。今、決まっている具体的な強制休校期間は以下の通り。
・アイルランドの語学学校 3月13日~3月27日
・マルタの語学学校 3月16日~20日 (但し3月13日からという告知も相当数あり、入り乱れています)
・キプロスの語学学校 3月16日~20日
イギリスは、ジョンソン首相が休校しない方針を打ち出しているため、殆どの語学学校は引き続き授業を続けていますが、上記3国は、政府による強制命令ですから、独自判断で学校を開けて授業を行うことはできません。ただ、学校に学生が立ち入れないだけで、自宅勤務が推奨はされているものの、法的に事務員などの出社自体はできるので、将来の申込手続き等は普通に進んでいる学校も多いです。
とはいえ、留学を考えていた方も、この状況を目の当たりにして、予定通り進めるのを躊躇される方が多いと思います。
アイルランド、マルタ、キプロスの島国3国に関して言うと、イタリアはもとより、フランスやドイツなど欧州大陸諸国や、日本あたりと比べても、人口当たりの感染者数はまだまだ少ないです。今現在で言えば、皆さんも日本にいるよりアイルランドやマルタに居た方が安全だろう、ということが、確率学的には言える、そういう状況です。ただ、これも刻一刻と変わっていますので、先のことはわかりません。ですがともかく、これら島国3ヶ国の現時点での休校措置は、予防的意味合いが強いようです。
しかし、国内で感染が広がらなくても、周辺国でさらに状況が悪化すれば、この休校措置の延長、そしてそれ以外の措置も取られる可能性はあるでしょう。最悪は空港閉鎖を含む海外との交通遮断で、そうなると、新規で留学しようと思っても、物理的な到達すらままなりません。
この状況に至り、既に申し込んで航空券も購入済で渡航直前の方とか、既に現地にいらっしゃって急な休校に戸惑っている方とか、その他色々だとは思うのですが、とりあえず学校側がこの休校措置にどう対処しているか、です。当社にも、12~13日の2日間で、30校ぐらいからニュースレターその他の形で情報が届きました。
見ると実にまちまちで、「不可抗力で学校に責任はないので、出席には影響しないが、休校、代替措置無し、返金なし」という学校すらあります。これは大体、格安校の対応です。割と多いのが、何らかの形で登校しないでできる「オンライン授業」「スカイプレッスン」などに切り替えている学校です。これは政府もこれからの時代の学び方の一つとして推奨しているようです。その対応ができる学校は、それをもって授業としているようです。しかし必ず「オンラインレッスンでは意味はない、現地に来て教室で直接授業を受けることにメリットがあって来たのだ」という不平不満を言う人は出て来るでしょう。オンライン授業ならわざわざ高いお金を払って時間を使って来る必要なく、日本で受ければいい、それは当然です。ただ、当初からの意図ではなく、非常事態のやむを得ぬ措置なので理解して欲しい、というのが、学校などの側からの言い分です。

心配なのは、これが長引くと財政余力のない学校が潰れていくのではないか、というのもあります。他方で余裕のある学校の一部は、留学生の希望に応じて柔軟な対応をしてくれることが期待できます。オンラインレッスンをやっていても、受けたくなければ、休校期間分の授業は後ろに回すとか、帰国を延ばせない人なら午後の授業や個人レッスンを追加してもらうとか、希望に応じてそういった対応をしている学校も実際にあります。返金はどの学校でも最後の手段で、学校には責任がないということで、簡単には受け入れてもらえないケースが多そうです。これから到着予定の方については、延期については無条件で受け入れる学校が割と多い感じです。
何とも大変なことになってしまいましたが、いつまでも続くことではないと信じて、皆さんお互いこの危機を乗り切りましょう。

その一環として、幼稚園から大学まで、全ての学校を一時休校。これには語学学校も含まれます。今、決まっている具体的な強制休校期間は以下の通り。
・アイルランドの語学学校 3月13日~3月27日
・マルタの語学学校 3月16日~20日 (但し3月13日からという告知も相当数あり、入り乱れています)
・キプロスの語学学校 3月16日~20日
イギリスは、ジョンソン首相が休校しない方針を打ち出しているため、殆どの語学学校は引き続き授業を続けていますが、上記3国は、政府による強制命令ですから、独自判断で学校を開けて授業を行うことはできません。ただ、学校に学生が立ち入れないだけで、自宅勤務が推奨はされているものの、法的に事務員などの出社自体はできるので、将来の申込手続き等は普通に進んでいる学校も多いです。
とはいえ、留学を考えていた方も、この状況を目の当たりにして、予定通り進めるのを躊躇される方が多いと思います。
アイルランド、マルタ、キプロスの島国3国に関して言うと、イタリアはもとより、フランスやドイツなど欧州大陸諸国や、日本あたりと比べても、人口当たりの感染者数はまだまだ少ないです。今現在で言えば、皆さんも日本にいるよりアイルランドやマルタに居た方が安全だろう、ということが、確率学的には言える、そういう状況です。ただ、これも刻一刻と変わっていますので、先のことはわかりません。ですがともかく、これら島国3ヶ国の現時点での休校措置は、予防的意味合いが強いようです。
しかし、国内で感染が広がらなくても、周辺国でさらに状況が悪化すれば、この休校措置の延長、そしてそれ以外の措置も取られる可能性はあるでしょう。最悪は空港閉鎖を含む海外との交通遮断で、そうなると、新規で留学しようと思っても、物理的な到達すらままなりません。
この状況に至り、既に申し込んで航空券も購入済で渡航直前の方とか、既に現地にいらっしゃって急な休校に戸惑っている方とか、その他色々だとは思うのですが、とりあえず学校側がこの休校措置にどう対処しているか、です。当社にも、12~13日の2日間で、30校ぐらいからニュースレターその他の形で情報が届きました。
見ると実にまちまちで、「不可抗力で学校に責任はないので、出席には影響しないが、休校、代替措置無し、返金なし」という学校すらあります。これは大体、格安校の対応です。割と多いのが、何らかの形で登校しないでできる「オンライン授業」「スカイプレッスン」などに切り替えている学校です。これは政府もこれからの時代の学び方の一つとして推奨しているようです。その対応ができる学校は、それをもって授業としているようです。しかし必ず「オンラインレッスンでは意味はない、現地に来て教室で直接授業を受けることにメリットがあって来たのだ」という不平不満を言う人は出て来るでしょう。オンライン授業ならわざわざ高いお金を払って時間を使って来る必要なく、日本で受ければいい、それは当然です。ただ、当初からの意図ではなく、非常事態のやむを得ぬ措置なので理解して欲しい、というのが、学校などの側からの言い分です。

心配なのは、これが長引くと財政余力のない学校が潰れていくのではないか、というのもあります。他方で余裕のある学校の一部は、留学生の希望に応じて柔軟な対応をしてくれることが期待できます。オンラインレッスンをやっていても、受けたくなければ、休校期間分の授業は後ろに回すとか、帰国を延ばせない人なら午後の授業や個人レッスンを追加してもらうとか、希望に応じてそういった対応をしている学校も実際にあります。返金はどの学校でも最後の手段で、学校には責任がないということで、簡単には受け入れてもらえないケースが多そうです。これから到着予定の方については、延期については無条件で受け入れる学校が割と多い感じです。
何とも大変なことになってしまいましたが、いつまでも続くことではないと信じて、皆さんお互いこの危機を乗り切りましょう。